ずっと続けていきたいこと久原本家グループの
サステナビリティへの取り組み
昔から、日本には「恩返し」を
大切にする文化がありました。
それは四季折々の自然から恵みをいただき、
いずれは返していくという、
風土に根ざした考え方に寄るものではないかと思います。
とりわけ私たち久原本家は、
醤油や醸造発酵という食の分野で、自然の循環から
切り離せないモノづくりを続けてきました。
私たちの中でサステナビリティは
ごく自然なことでもあります。
「ありがとう」の気持ちとともに、
自然や地域の方、
お客様からいただいたご恩をお返ししていくこと。
新しい力に変えて、未来につなぐこと。
それが私たちの企業活動の最も大事な原点です。
地球環境に配慮し、
「持続可能な社会」を実現する
私たちにはこの地球を大切に守り、持続可能な社会を次世代に受け継いでいく責任があります。そこで、当グループでは本社工場にソーラーシステムを設置して太陽光を有効活用し、重油ではなくLNGを利用してCO2排出量を削減しています。
「食を通して社会にできること」のひとつとして、福岡県庁にてフードバンク3団体と合意締結を交わしました。3団体を通じて、県内各地の子ども食堂や困窮家庭支援団体に、毎月商品を提供しています。
また、障がいのある方々がアートの才能を発揮して可能性を広げることを目指して、長年にわたり「くばらだんだんアート」プロジェクトを推進してきました。福岡県を中心に障がいのある方から絵画を募集し、入賞作品は当グループの商品ダンボールや、福岡市内を走るラッピングバスのデザインに採用しています。本活動は「メセナアワード2021」優秀賞を受賞しました。
- ・包装紙など一部の資材には環境に配慮したFSC認証の紙、印刷にはバイオマスインキを取り入れています。
- ・従業員が家庭で使い切れない未使用食品を集めて寄贈する「フードドライブ」、家庭に眠っている本やCDを換金してフードバンクに寄付する「古本募金」に取り組んでいます。
- ・「久原総活躍推進委員会」では、従業員一人ひとりが楽しくやりがいを持って働き続けられる職場づくりを目指して活動を展開。子どものいる家庭でも安心して働けるように近隣の保育園とも提携しています。
地域に根差した日本の
「食文化」を未来へ
つなげる
日本には、古くからその地域にある自然の恵みをうまく取り入れて、人から人へと受け継いできた食文化があります。しかし近年は食生活の多様化が進み、昔ながらの食の知恵や伝統的な料理を継承することが難しくなっているように感じます。私たちは、地域で育まれてきた素晴らしい食文化を未来につなげるために活動しています。
脈々と伝わる日本の食文化の中でも、そのベースとなる「だし」。だしを通して、子どもたちに日本の食文化を伝えるべく、私たちは福岡県内の小中学校を中心に「だし教室」を開催しています。
九州では「あご」と呼ばれるトビウオが、だしをはじめ多様な食文化を生み出しています。私たちは、日本有数のあごの漁獲地である長崎県平戸市、新上五島町、鹿児島県屋久島町と共に「九州あご文化推進委員会」を設立し、九州のあごにまつわる食文化を広める取り組みを展開しています。
さらに、1893年に醤油蔵から歩み始めたという私たちの原点に立ち返り、「茅乃舎1893」プロジェクトを発足。日本各地に根差した100年以上前の暮らしや食のあり方を探り、自然に感謝し助け合いながら生きる姿や豊かな食文化に光をあてて、皆さまに料理や情報をお届けしています。
食で暮らしを支え、
人びとの「健康」に
寄与する
私たちは、だしをはじめ日本の伝統的な食文化にこだわり、自然の素材や味わいを大切にしてきました。それは、余計なものを加えず、手間ひまをかけ愛情を込めてつくった食を通じて、人びとに感動と笑顔、そして健康をお届けしたいから。人生100年時代となり、私たちはお客様がさらに健やかな毎日を過ごされるように願っています。
2005年に開業した「御料理 茅乃舎」を訪れるお客様からご家庭でも同じ味を作りたい…というお声を受けて、出来るだけお店の味に近く、しかもご家庭で使いやすい形に作り上げたのが、「茅乃舎だし」をはじめとするだしシリーズや調味料です。
日本では千年以上も前に「麹」を使ったお酒づくりが始まりました。やがて麹によって醤油や味噌が生まれて、日本の食卓にはなくてはならない大切なパートナーになっています。私たちは小さな醤油蔵から始まり、醤油や味噌などの発酵食品と向き合ってきました。そこで今、改めて麹のチカラに着目し、身体にやさしい麹の専門店「茅乃舎 麹蔵」をオープンしました。日本各地の調味料を研究して、麹をたっぷり使った麹味噌や麹調味料、麹ドリンクなどの商品を取りそろえています。
私たちはこれからも人びとの心身の健康に寄与できる企業であるために、たゆまぬ努力を続けてまいります。
つながりのある
「地域の取り組みや生産者」を支援する
私たちは、これまでご縁のあった地域の方々の活動を応援することで、少しでもご恩をお返しできればと考えています。例えば、福岡県久山町は、1893年に私たちが開業した創業の地。未来を担う久山町の子どもたちが英語を身につけてグローバルに活躍できるように、町と協同でグローバル人材育成事業「みらいパスポート」に取り組んでいます。
生産者の方との顔の見えるつながりも大切にしています。久山町の農家の方にはだしの残り素材を提供し、天然の肥料としてご活用いただいています。総本店では地元農家の方の野菜販売や、野菜の収穫体験も実施しています。
そして、2019年には「北海道アイ」を立ち上げました。北海道は、当グループが30年以上にわたり大変お世話になってきた地域です。からし明太子「椒房庵」の原料をはじめ、昆布や玉ねぎなど多くの食材を商品に使っています。その感謝の思いを形にすべく、北海道産のおいしい食品や食文化を、全国そして世界に発信してまいります。